「知研ボックス」は、心理学者ギルフォードの知能因子論をベースに、知能研究所の創設者である肥田 正次郎が提唱した『知研式知能理論』に基づき開発された知育教材。
約125種類ある教材をとおして、24の知能因子の全てをバランスよく伸ばすよう設計されています。
こちらの記事では、「知研ボックス」を用いた知研プログラムで伸ばせる24の知能因子についてお伝えします。
知能因子とは
知能活動
知能活動とは知能の働きのことであり、憶えること(記憶)と考えること(思考)の2つに分けられます。
この2つ(記憶・思考)をさらに細かく分けると、以下のとおりになります。
「記憶」の3つの働き
記憶 | 記銘 | その場ですぐ憶えること |
保持 | いつまでも覚えていること | |
再生 | 思い出すこと |
『記憶』は、「記銘(きめい)」「保持」「再生」の3つの働きに分けられます。
「あの人は記憶力が良い」などと言いますが、上記3つのうち、どの力が優れているかによって、特徴がまったく違ってきます。
・その場ですぐに憶えられるが、一晩たつと忘れてしまう・・・記銘力が高く、保持力が低い
・憶えるのに時間がかかるが、一度憶えたらなかなか忘れない・・・記銘力が低く、保持力が高い
・知っている人の名前がなかなか思い出せない・・・再生力が低い
「思考」の5つの力
思考力 | 受容的思考力 | 外部からの情報を正しく受け取る能力 |
集中的思考力 | 2つ以上の情報から1つの結論を導き出す能力 | |
拡散的思考力 | 1つの事柄から色々な方向に思い巡らす能力 | |
転換的思考力 | ある事柄を別の方向から見直す能力 | |
表現力思考力 | 内部の情報を的確に表現する能力 |
受容的思考力
受容的思考力とは、外部からの情報を正しく受け取る能力。
認知能力や理解力とも言い換えられます。
たとえば犬を見て、「これは犬だ。」と認知する能力のことを言います。
集中的思考力
集中的思考力とは、2つ以上の事柄(情報・条件)から1つの結論を導き出す能力。
論理的思考力や推理力とも言い換えられます。
たとえば「果物の仲間です。」「赤い色をしています。」「白雪姫のお話に出てきます。」というヒントから、「りんご」という答えを導き出す力のことを言います。
拡散的思考力
拡散的思考力とは、1つの事柄(情報・条件)からいろいろな方向に思いを巡らせる能力。
思考の柔軟性とも言い換えられます。
たとえば、「果物といえば?」という問いに対して「りんご」「みかん」「バナナ」「もも」・・・のように様々なものを思い浮かべる力のことを言います。
転換的思考力
転換的思考力とは、ある事柄を別の方向から見直す能力。
創造力とも言い換えられます。
ニュートンが、木から落ちるりんごを見て、「りんごが上から下に落ちる」のではなく「地球とりんごが引き合っている」と発想を転換して「万有引力」を発見したように、それまでとは全く別の方向から物事を見る力のことを言います。
表現的思考力
表現的思考力とは、内部の情報(自分で考えたこと・わかっていること)を的確に表現する能力のことです。
たとえば、自分の家から駅までの道筋を誰かに説明する場合。家から駅まで行くことができるということは、道筋はわかっているはずですが、他人にうまく説明できるかというと、また別の話になります。そこで必要となってくるのが表現的思考力となります。
知能領域
知能領域とは、憶えたり考えるときの材料、つまり情報の種類のこと。
知能領域は、以下の3つに分けられます。
図形 | ものの形で考えたり、覚えたりする |
記号 | 数・色・音などで考えたり、覚えたりする |
概念 | 言葉の意味で考えたり、覚えたりする |
知研式知能構造モデル
以上の知能活動・知能領域をかけあわせると、下の表のように24の知能因子に分けることができます。
このように知能を細分化することで、お子さんの得意な分野・苦手な分野を見極め、バランスよく知能を伸ばしていくことが可能となります。
知能 | 知能領域 | ||||
図形 | 記号 | 概念 | |||
知能活動 | 記憶 | 記銘 | 1 | 2 | 3 |
保持 | 4 | 5 | 6 | ||
再生 | 7 | 8 | 9 | ||
思考 | 受容的思考 | 10 | 11 | 12 | |
集中的思考 | 13 | 14 | 15 | ||
転換的思考 | 16 | 17 | 18 | ||
拡散的思考 | 19 | 20 | 21 | ||
表現的思考 | 22 | 23 | 24 |
まとめ
「知研ボックス」は、24の知能因子を伸ばすことを目的に開発された知育教材。
「知研ボックス」に取り組むことで、知能すなわち考える力・憶える力をバランスよく伸ばすことができます。
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