知研ボックスT-7期【数ボード】は、”数”という抽象的なものを、”長さ”という量で体感することで、数に対する理解を深めることのできる取り組み。
こちらの記事では、【数数ボード】の自宅での効果的な取り組み方をご紹介します。
知研ボックス【数ボード】でやしなわれる能力とは
記号・図形による受容的思考・集中的思考力
●受容的思考力とは:外部からの情報を正しく受け取る能力・理解力
●集中的思考力とは:2つ以上の情報から1つの結論を導き出す能力・論理力
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知研ボックス【数ボード】自宅での効果的な取り組み方
【数ボード】は、1~9までの数の棒と、台紙がセットになっています。
数の棒にはもともと何も描かれていませんが、片面に数字・反対の面に数字の分の丸シールを貼ることで、数字・●の数(数量)・棒の長さ(数量)との三者を対応させることができるようになります。
そこでこちらの記事では、数の棒に数字と丸シールを貼った場合の取り組み方についてご紹介していきます。
①ぜんぶでいくつ?
数の棒を、丸シールの面を向けて子どもに見せ、「丸の数はいくつかな?」と発問します。子どもが答えたら、数の棒を裏がえして数字を確認します。
数量(丸の数)と数をマッチングさせるのがねらいです。
➁長い順に並べよう
1~9の数の棒を、丸シールの面を向けて子どもに渡します。
台紙に、数の棒を短いほうから順番に並べさせ、全部並べ終えたら裏がえして数字を確認します。
※慣れてきたら、数字の面を向けて渡し、1から順番に並べさせてみましょう。
1,2,3・・・の数字の順に、数量も1つずつ大きくなっていっていることを実感し、数(数詞)と数量の関連性を認識するのがねらいです。
③5の構成
数の棒(赤)を、丸の面を向けて1~5まで順番に並べさせます。
全部が5の棒と同じ長さになるよう、数の棒(黄色)を合わせて5を作らせます。
全部が「5」になったら裏返して数字の面を向け、
「1と4で5」「2と3で5」「3と2で5」「4と1で5」「5と0で5」と言いながら、「合わせて5」になる組み合わせを確認していきます。
5という数が、ある数と数の組み合わせでできていることを理解し、「合わせて5」になる数の組み合わせを定着させるのがねらいです。
「合わせて5」が定着したら、「合わせて6」~「合わせて9」もやってみましょう。
④10の構成
台紙に、数の棒(赤)を、丸の面を向けて1~9まで順番に並べさせます。
1~9まで並べたら、10までに足りない分の数の棒(黄色)を入れて、10を作らせます。
最後に、数の棒を裏返して数字の面を向け、
「1と9で10」「2と8で10」・・・「9と1で10」と言いながら「合わせて10」になる組み合わせを確認していきます。
「合わせて10」になる数の組み合わせ(10の構成)は、繰り上がりのある足し算や繰り下がりのある引き算にも必要となる重要な概念ですので、しっかり定着させていきましょう。
⑤合わせていくつ?
数の棒2本を用いて、2つの数の合成(合わせていくつ)を行います。
1~9の数の棒(赤)を、丸の面を向けておきます。そのうちの1つを見せ、丸の数がいくつかを確認させます。
別の1つを見せ、丸の数を確認してから2つを縦につなげて置き、同じ長さのものを黄色の棒の中から選ばせます。
長さが同じことを確かめたら棒を裏返して数字の面を向け、「4と3を合わせると7になるね」などと確認します。
「2つの数を合わせる」(数の合成)の考え方の理解を促します。
“数を合わせる”ということが理解できるようになったら、赤と黄色いずれの棒も数字の面を使って、同様にやってみましょう。
⑥ちがいはいくつ?
数の棒2本を用いて、2つの数の違い(差)を考えます。
数の棒2本を、丸の面を向けて並べて置き、「どっちがいくつ多い?」等と発問します。
・赤の方が黄色よりいくつ余ってる?(いくつ足りない?)
・赤と黄色の「ちがい」はいくつ?
・赤と黄色の「差」はいくつ?
など、いろんな聞き方で、数の「差」について発問してみましょう。
2つの数の「差(ちがい)」の理解を促す取り組みです。
「差(ちがい)」というのは子どもにとってはむずかしい概念ですが、「余る」「足りない」という、日常生活の中で親しみのある表現から、「余った数」「足りない数」=「差(ちがい)」である、ということの理解に結び付けていきましょう。
知研ボックス【数ボード】に似ている市販のおススメ教材
学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう
『学研の遊びながらよくわかる 木製かず さんすう』は、【数ボード】と同様、クマの絵と数字が描かれた木製のバー(棒)を用いて、数字(数詞)・絵(数量)・長さ(数量)をマッチさせることができる知育教材。
【数ボード】との違いは、
・バー(棒)も台(ボード)も木製のしっかりした作り
・はじめからクマの絵と数字が描かれている
・バー(棒)が1~10まである(【数ボード】は数の棒が1~9まで)
・木製バーの他におはじきも付属しており、おはじきを1つずつ数えながらバーの長さと数字に対応させることができる
上記のように、学べる内容は【数ボード】と同じですが、より子どもが扱いやすく、取り組みやすいものとなっています。
加えて、おうちの方向けに、具体的な取り組み内容が書かれた詳しいガイドブックがついているので、取り組み方に迷うことがないのもポイントです。
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